三浦理恵子よ、どこへ行く
平成１3年6月２８日

時々、昔ファンだったアイドルが、ここんとこ消息不明だったのに、
急にテレビで大活躍しはじめるのを見て、びっくりすることがある。

例えば、国民的美少女コンテスト二代目優勝の細川直美が、
しばらく見ないと思っていたら、急にＮＨＫドラマの主役に抜擢されたり。
ほとんどテレビ番組に縁のなかった若林志穂が、急に昼ドラで主役やってたり。
マクロス以来、とんと音沙汰なかった飯島真理が、ロサンゼルスでＴＯＴＯとバンド組んで凱旋帰国したり。

で、最近、同じような感動に見舞われたわけだ。

もともとボクは歌番組が好きではない。
だから、「夜もヒッパレ」なんて、別に本人が歌うわけでもないし、
ただのカラオケ番組なんか、ほとんど見ないのだが。
先日、どうしてもみなきゃいけないシチュエーションに追い込まれてしまった。

あの、「見たい、聴きたい、歌いタイ」というフレーズは大キライだし、
時々、曲紹介の前に入るオヤジギャグ的ボケなんか、ハラ立ってくるし、
なにより、三宅裕司！ なぜそこにいる！ 君はあの番組に必要なのか！

それはさて置き、
私が驚いたのは、なんと！？ 三浦理恵子がいるではないか？！
しかも、どうもレギュラーっぽいぞ。
なぜだ！ なぜ、君はそこにいる！！

確かに、ＣｏＣｏの時から一番人気だった。
最初にソロデビューを果たしたのは彼女だったし、
そもそも、ＣｏＣｏの人気に火がついたのも、
三浦の ♪あなたいじわる〜♪ 光線にやられたものが続出したからである。
（ただし、私はこんなチャチな光線にやられてファンになったわけではない）

しかし、私は問いたい！
なぜ、羽田恵理香ではダメで、三浦理恵子ならいいのだ！
なぜ、大野幹代ではダメなのだ！
なぜ、瀬能あづさではダメなのだ!

・・・まあ、宮前真樹ではダメだろうが・・・・。


最初に瀬能がＣｏＣｏを卒業すると宣言したとき。まちがいなく、あれがＣｏＣｏの絶頂期だった。

一番歌唱力のあった彼女は、ＣｏＣｏの中でも、一番目立つソロパートを任されていた。
初期のＣｏＣｏが、瀬能におんぶにだっこ状態であったことは、当時のＣＤを聴けば、一聴瞭然だ。
彼女には、充分、ソロでやっていける実力を持っていた。
だから、事務所も、そして彼女にもピンでやっていける自信はあっただろう。
しかし、まだ時代はまだ、歌のうまいアイドルを求めてはいなかった。
あえて言わせてもらえば、彼女の歌い方には、いまひとつ“花”がなかったように思える。
そして、もうひとつ付け加えるならば、
小室が大好きなＢ級アイドルっぽいかわいらしさを持ってはいなかったのだ。
彼女は、結婚を期に引退する。

そして、リーダーを失った新生ＣｏＣｏも、再び浮上することはなかったのである。
瀬能卒業で、「ＣｏＣｏは終わった」と、誰もが感じた証拠であろう。
解散コンサートには、瀬能卒業コンサートほども盛り上がらなかった。
まさにＣｏＣｏは、ひっそりと解散したのである。

すでに下火だったグループを解散したメンバーの行く先に、明るい未来なんてあるわけがない。
大野はＶシネマでチラっと見たあと、消息を知らない。
羽田は女優を目指すが、どうも納得のいく仕事がこなかった。
宮前は、明石屋電視台や、ほんわかテレビなど、関西中心に活躍していたが、
とても元アイドルの扱いではなかった。


なのに、なのに、なぜ三浦。君はアイドルとして生き残っているのだ。


そもそも、ＣｏＣｏに限らず、乙女塾出身で、現在活躍中のものは少ない。
ポワトリンもトトメスも、引退してしまった。
クレアなんかカルピスのＣＭで見たっきりだ。
かろうじて、元Ｒｉｂｂｏｎの永作が、ドラマで活躍しているくらいだ。
しかも彼女、Ｒｉｂｂｏｎ時代に触れて欲しくないように見える。
それは、取材で他のメンバーの消息をたずねられたとき、

「知りません」

と短くコメントしたことでも明らかだ。

もちろん、永作に比べれば、三浦の活躍範囲は狭いかもしれない。
しかし、最後期のＣｏＣｏの人気を考えれば、明らかに異常である。
他のの４人がアイドルとしての定義付けを、自ら破壊しなければならなかったことを考えれば、格段に幸せである。

アイドルの旬は短い。
清純さや、幼さをウリにするには、おのずと年齢制限があるのだ。
いつかは、アイドルの殻を、やぶらなければならないときがくる。
アイドルのイメージチェンジほど、むずかしいものはない。
それに失敗したものは、ひっそりと消えてゆくしかないのだ。

母体を失ったアイドルの悲劇を、ゆうゆが見せてくれた。
早い時期に限界を見極めることも大切だと、江戸真樹は教えてくれた。
過去を捨てても上を目指すことはまちがいではないと、工藤静香は体言した。
しょせんアルバイトよと、白田あゆみは笑った。

三浦恵理香は、何を見せてくれるのだろうか。